QOLが低下する病気の知識 機能性ディスペプシアについて

【機能性ディスペプシアとは?】日常生活の質が著しく下がる胃の難病です

機能性ディスペプシアという病気をご存じですか?

別名が機能性胃腸障害(英名:Functional Dyspepsia)とも呼ばれており、胃の消化器官が正常に機能しなくなるものです。

現在私も発症している病気であり、10人に1人は機能性ディスペプシアになっていると言われております。

ところが、この数値に対して疑問に思うことがあります。

これだけの人が抱えている病気であれば、世間でもっと当たり前にように取り上げられてもいいはずですが実際はそんなこともなく「それって何の病気なの?」と聞かれるぐらい、少なくとも日本ではほとんど認知されていないんですよ。

患者さんのSNSやブログを見たりすると、機能性ディスペプシアの症状によって日常生活に支障をきたす苦しみが記されており、将来に対する不安を訴える人は非常に多いと感じております。

この病気は実際には難病指定されていないのですが、完治させるような術はほとんど無いことが現状であることから、こちらの記事では「難病扱い」とさせていただいております。

そして病院で診てもらっても、症状を若干緩和させるぐらいの薬が提供されるぐらいで診察もすぐに終わることが多いので、正直まともにこの病気と向き合ってくれている医師は非常に少ないことを痛感します。

機能性ディスペプシアに関する症状や改善方法をネットで調べても公式に発表されているような医療機関や大手企業のHPではどれも同じことしか書かれていなかったので、周りの皆さんはこの病気に関しての本当の苦しみや症状などは知らないのではないかと感じております。

そこで今回は、私が患者さんを代表して「機能性ディスペプシアを抱えた患者さんが実際に直面している苦しみ」を訴えることで、同じ悩みを抱えている皆さんに改めて病気の情報を共有すると共に、患者さん以外の皆さんにもこの病気の現実を知っておいていただきたいことを目的としております。

 

 



 

実際に起こっている患者の症状

まず前提として知っておいていただきたいのは、機能性ディスペプシアという病気は「胃に慢性的な異常を抱えているにも関わらず、実際に検査してもどこにも異常が見当たらない」ということです。

このことから何が原因かも分からない病気になるので、患者によって症状が一部異なることがあります。

以下にご紹介する症状に関して全てが患者全員に当てはまるわけではありませんが、私の経験や他の患者さんの声を吸い上げた内容を取り上げているので、共通している症状は多いかと思われます。

なお、症状が発生する原因を考察した記事は別でまとめておりますので、時間がある際にご覧ください。

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慢性的な胃もたれ

胃もたれ自体は食べ過ぎや脂っこい食べ物を食べた際に経験した人も多いと思いますが、機能性ディスペプシアの胃もたれは基本的に毎日続いている状態です。

本来は口から入れた食べ物は胃の上部に溜め込んだ状態から時間をかけてゆっくり消化していき十二指腸へ送り出すような流れになりますが、機能性ディスペプシアの場合は胃の機能が弱くなっていることから食べ物を胃に溜め込む動作がほとんどできなくなる状態になっていると言われています。

よって、口から摂取した食べ物はそのまま胃の下部へ溜まった状態になり消化せずに残ったままになるので、胃がもたれた状態になるのです。

これにより、食事を取った後は消化が始まるまでの数時間は常に苦しい状態で過ごすことになります。

 

早期膨満感

これは食事を食べ始めると、早い段階で満腹状態になってしまうことです。

病気になる前には完食できていた食事量が、機能性ディスペプシアになったことによって完食できなくなってしまうようになります。

実際に食べられる食事量は患者によって異なり、8割ぐらい食べることが可能な人もいれば、半分、もしくはそれ以下しか食べることができない人もいます。

よって、元々通常の食事量ぐらいだった人でも機能性ディスペプシアにかかることで小食の部類になってしまいます。

原因としては、胃もたれの場合と同様に食べ物が胃の下部に溜まっていくため、早い段階で「お腹がいっぱい」と認識してしまうことが考えられています。

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吐き気

この吐き気は、機能性ディスペプシア中でも特に患者さんの日常を苦しめるものとなっています。

発生パターンとしては胃もたれから吐き気へ繋がる場合突発的に吐き気が起こる場合の2つがあります。

前者は、食べ過ぎたり身体に合わない食事を取ることで胃もたれが酷くなった際に吐き気となって現われます。

食事は必ず毎日食べるものなので、ずっと同じ食事の量や内容で食べることができないため、基本的に毎回は防ぎようがありません。

よって、個人差はありますが毎日に近い頻度で吐き気の症状に悩まされることになります。

また後者に関してですが、例えば電車やバスのような公共交通機関に乗ったりすると急に胃からこみ上げてくるような吐き気が発生することがあります。

普通であれば「乗り物酔い」と思われるかもしれませんが、これは機能性ディスペプシアのような胃が弱くなってしまっている人の特有の症状と私は分析しております。

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この吐き気が更に酷くなると嘔吐することもありますが、機能性ディスペプシアの患者さんは「吐くのが恐い」といった嘔吐恐怖症の人も多いことから、ご自身で食事の量や質をかなり抑え目にされているので、嘔吐するまでに至らない場合が多いようです。

 

様々な種類の胃痛

胃痛の症状に関して私はほとんど起きることがありませんが、患者さんによっては慢性的に発生する場合が結構あるようです。

そこで今回Twitterにてアンケートを取ってみたところ、患者さんによって胃痛の症状が大きく異なることが分かりました。

まず一番多いのが「キリキリ痛む」であり、次に多いのが「ズキズキ痛む」といった結果になりました。

表現の仕方が擬音語を使用しているので分かりくい人もいるかもしれませんが、ストレスを感じた時には「キリキリ」、胃潰瘍のような外部に傷などが発生すると「ズキズキ」といった例であれば、思い当たる人がいるのではないでしょうか?

そして今回は「その他」の回答も多く、その症状が様々であったので以下に挙げておきます。

参考

・シクシクした痛み

・チクチクと刺されるような痛み

・鳩尾(みぞおち)が焼けるような痛み

・胃を押しつけられるような痛み

このように機能性ディスペプシアの中でも患者さんによって様々なタイプの胃痛があることが分かります。

空腹時の胃痛は胃炎や胃潰瘍の病気になることで発生することがありますが、食後でも関係なく発生するので、これらの胃痛の症状は機能性ディスペプシアの新しい症状の一つなのかもしれません。

こちらの状態になった際は、「シクシクした痛み」が発生することが多いそうです。

また痛みの度合いも様々で、ゴルフボールで胃を押されているような胃の痛みまで酷くなると、吐き気にまで派生することがあるようです。

そして、これらの痛みが起こる場合は回答の多かった「キリキリ痛む」や「ズキズキ痛む」ことが無いといった意見もあります。

 

このように胃もたれや吐き気、更には胃痛までが毎日続くというのは、どれほど身体にとって負担が掛かり、そして精神的にもストレスが掛かることをご理解いだだけると思います。

 

機能性ディスペプシア特有と思われる身体に起こる現象

明確に解明されている病気ではないので、実際に病気になった際に患者の身体へ起こる機能性ディスペプシア特有の反応に関する情報は世の中にあまり出回っていません。

ですが、ほとんどの患者さんに対して同じ現象に直面していることが最近分かりました。

そこで、私が今まで経験したものや他の患者さんから確認した情報において、把握している現象についてお伝えしたいと思います。

 

お腹が空かない

胃が健康な人は1日3食の食事を取ることが多いと思います。

少し想像してみていただきたいのですが、例えば朝にパンを食べて、昼に1人前の定食を食べたとしたら、夜は何を食べますか?

恐らくダイエットでもしている人でない限り、普通に1人前の食事を食べることができますよね。

ですが、この病気になるとまず完食することはできません。

なぜなら、お腹がまったく空かないのです。

普通は食べると時間と共に消化していくので朝昼晩の決まった時間帯であれば1人前を食べられますが、患者さんの場合は消化するスピードが極端に遅いので胃に食べたものが残っている状態で次の食事を食べようとしているので容量が少なくなるのです。

朝食べたものを完全に消化するとなったら、個人差はありますが翌日の朝まで必要とする場合もあります。

ですので、酷い場合だと普通の人が1日のうち1食だけで朝昼晩の3食分を胃に収めるようなものなので、確実に無理なことがお分かりいただけると思います。

これが理由で1日1食か2食に減らすか、食事の回数を増やすして1食の量をかなり減らすような食生活になるため、徐々に痩せていきます。

以下の記事を見ていただくと、食事制限を乗り切るための大変さを理解していただけるかと思います。

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油物・刺激物・肉を受け付けなくなる

こちらは度合いに個人差がありますが、少なくとも健康であった時より弱くはなります。

油物はトンカツや唐揚げなど油で揚げているもの、刺激物はカレーやコーヒー、またお酒などです。

普通の人でも食べ過ぎたら胃もたれしますよね?

ただ私達の場合は、例えばトンカツを半分食べただけで1日中どころか翌日まで胃もたれが続いている状態になります。

私が経験した中でも一番悲惨だったのが、串カツとビール、またはカツサンドとコーヒーの組み合わせを半分ぐらい食べただけでノロウイルスのような状態になったことです。

一度は繁華街のトイレで夜から朝まで動けなくなり、救急車を呼ぼうかと思ったぐらいです。

 

刺激物×刺激物の組み合わせはFDの胃にとって核爆弾並の破壊力でした。

 

普段は1人や家族で食べるときは揚げ物や刺激物は自ら避けるようにしていますが、ランチや飲み会のような友人や知り合いと行く食事の場合は相手の選択によっては避けられないこともあるのでほとんど手を付けずに過ごすこともあります。

また肉に関しては、身体が受け付けないというよりかは敬遠しがちになります。

理由としては、牛鶏豚などの脂が胃に対して重く感じられるからだと思われます。

実際に食べてみると揚げ物とかに比べるとそこまでキツくはないのですが、量をそれなりに食べると魚で同じ量を食べる時よりかは後々胃もたれへ発展しやすいと感じます。

特に牛肉は胃への負担が一番キツく感じており、鶏や豚に比べて量が食べられません。

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お腹で水が鳴る音がする

これもよく聞く現象ですが、お腹の中に常に水が入っている状態なのかお腹を凹ませたり膨らませたりすると「ギュル!」と音が鳴ります。

そして、この現象が起こる日に限って明らかに胃の調子が悪いことが多いので、絶対に何かしら関係があると思っています。

確かに水分を飲んで後の方が起こりやすいですが、もしその水分が胃の中にいるのだとしたら一体いつまで残っているつもりなのかが不思議でなりません。

普通は水分を取るとすぐに小腸で吸収されるようになっていますが、私達の場合は食べ物はおろか、水分すら消化できない身体になってしまったのではないかと思ってしまいます。

ですので、機能性ディスペプシアの患者さんは水分を取る量が少ないことが見受けられます。

 

身体が疲れやすい

私もそうですが機能性ディスペプシアになった患者さんは食事量の関係から体重が一気に落ちるからなのか、身体が今までよりも疲れやすくなります。

走ればすぐに息切れを起こすのは当たり前ですが、外出先で街を歩いているだけでも数時間でしんどくなりますし、仕事でもフルタイムの8時間が体力的に厳しくなってきます。

そして、疲れると胃にまで影響し消化機能がストップするため、疲れたと感じる日は決まって食事の量も極端に落ちるのです。

私の場合は疲れてくると更に膀胱辺りに力が入らなくなってジンワリした痛みを感じる現象も多く、この場合も100パーセント胃に影響を及ぼします。

 

アルコールに弱くなる

ビールやハイボールのような炭酸であればお腹が膨らむので胃の許容範囲を侵食して食べる量が少なくなるのは分かりますが、ワインや日本酒のような炭酸が入っていないものでも以前より弱くなったと感じます。

正直理由はハッキリ掴めていませんが、そもそもお酒自体が刺激物の一つでもありますし、食事量が減ったことで栄養が不足して肝臓まで行き渡らなくなってしまい弱ったのではと推測しています。

また心理的な理由として、嘔吐恐怖症の患者さんであれば「吐いてしまったらどうしよう…」と恐くなってお酒を飲むことを控える場合もあります。

 

ゲップの出る頻度が多い

これは食事を取った後によく出ると実感します。

機能性ディスペプシアを患うと、逆流性食道炎が併発する患者さんも結構いらっしゃいます。

逆流性食道炎になる食べた物が食道まで逆流してくるのですが、機能性ディスペプシアの場合はあまり食事を取らないので逆流してくるのが食べ物ではなく空気であり、それがゲップとなって出てくるのではないかと考えております。

反対に、それなりに食べた後にゲップが出ない時は危ない状態です。

その時は空気の代わりに食べた物が逆流してくるので、かなり酷い吐き気に悩まされることがあります。

 

便通が突然良くなったり下痢になったりする

普段は便が普通の頻度で出る人や便秘気味な人が急に便の調子が良くなることがあります。

普通は便通が良ければ「嬉しい!」と思うことでしょうが、機能性ディスペプシアの場合はこれが引き金になって胃の調子が悪くなったり吐き気へ繋がることが多いです。

これは先ほど触れたように下半身に力が入っていないことで、大腸に力が入らないので一気に便が押し出されるのではないかと解釈しております。

なぜ胃に対して影響を及ぼすのかが不明ですが、下半身に力が入っていない時点で胃の動きが悪くなっているかもしれません。

また、急に下痢になることがあります。

少し調子が良い時期にしばらく普通の調子(と言っても一般の人と比較すると少ないですが。。)で食べたりアルコールを飲んだりしていると、ある日突然下痢になることが多いです。

このケースも原因が掴めませんが、胃の中でちゃんとした消化ができていないために腸も本来の処理を行なうことができないのではないでしょうか。



 

日常生活における質(QOL)の低下について

これは患者の皆さんが訴えていることですが、機能性ディスペプシアになる前と比較すると日常生活の質(Quality of Life)が格段に下がります。

前章で触れた内容と重なる箇所もありますが、具体的な例をいくつかご紹介します。

 

食事が生きるための手段となってしまう

機能性ディスペプシアになって一番の地獄と言えるのはこちらだと実感します。

食事って本来であれば楽しめるものですよね。

食は生きるための3大欲求の一つであり、美味しい物を食べたいという欲求って誰もがあると思うのです。

しかも機能性ディスペプシアの患者さんは食べることが大好きな人も多いのに、そのような人達が毎回自分の胃の調子を気にしながら食べなければならないのです。

1日3回もある大事な食事の時間に一度も好きな物を好きなだけ食べることができないのです。

 

障害者認定もされていないのに好きな物をたくさん食べる健常者と同じ空間で食事をしなければならない患者さんが、毎日味わうこの苦しみをご理解いただけるでしょうか?

 

これは食事だけではなく、間食で食べるようなスイーツも同じなのです。

テレビや雑誌で紹介されている美味しいスイーツを食べに行きたくなることありますよね?

実際に食べたとしても通常の1人前であれば全て完食することはまず不可能で、結局残す羽目になりますしその日は胃もたれ確定になります。

スイーツは量だけでなく、生クリームやバターなどの乳製品は油脂成分や動物性脂肪が多く含まれているので少量で胸焼けや胃もたれを引き起こしやすいですよね。

私の場合、どうしても好きな物を食べたい時は当日に何も予定が入っていない時だけ食べるようにしていることが多かったです。

食事でもスイーツでも、周りにいる人達が注文した品を美味しそうに一人前を平らげている姿を見るとうらやましい感情しか湧いてきて、その場にいるのが辛いとしか思えなくなってしまいます。

結局は食事を死なない程度に最低限食べるといった感じになるので、食が「楽しみ」ではなく「生きるための手段」となってしまうのです。

 

睡眠時間が減る

冒頭にご説明した胃もたれや吐き気の症状に関しては食事を取った後だけでなく、就寝時間まで続くことがほとんどです。

この状態で布団に入ったとしても、食べた物や胃酸が逆流してきて吐き気がより酷くなってまともに眠ることができません。

このような状態になってしまったら、胃の中がある程度消化されるまでは少し眠りについても夜中に目が覚めるといったことが何度も繰り返されるため、翌朝になったら完全に睡眠不足となってしまいます。

寝不足になると胃の動きも弱まり、また同じ状態が繰り返されます。

こういった負のループが日常茶飯事でおきるため、仕事で頑張ろうといった気力やプライベートで楽しもうといった気力を失いやすくなるのです。

このように"睡眠欲"や、先ほどご紹介した"食欲"は人間の三大欲求の2つであり、これらが満たされない毎日というのはどれほど大変なことかが容易に想像できると思います。

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会社へ行くのがツラくなる

機能性ディスペプシアになると胃もたれと吐き気が続くことになるので、仕事に集中できない日が多くなってしまいます。

まず出勤の場合ですが、朝ご飯をまともに食べると電車のような公共交通機関に乗るだけで酔う可能性がありますので、朝はほとんど食べないようにする必要があります。

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次にランチタイムですが、こちらも朝と同じくまともに1人前を食べた場合や揚げ物や刺激物のような食べる種類の選択ミスをした場合は、胃もたれと吐き気の症状が大きく出て仕事になりません。

確かにご飯を食べない場合であれば胃もたれ自体は起きませんので「ランチを我慢すれば?」って思われるかもしれませんが、睡眠時間も少なくて朝も食べる量が少ない患者さんが昼まで抜いたらどうなるか?

 

答えは「頭が回らなくなって仕事のパフォーマンスが下がる」です。

 

だから患者さんはランチタイムにおいても、食べる種類や量に対して細心の注意を払って調整しているのです。

しかしながら、これだけ頑張っていても朝起きた時点で胃の調子が悪いことも多いため、出勤して1日中仕事をして帰宅するまでの当たり前の流れが非常に苦痛となってきます。

そして、仕事のパフォーマンスまで下がることで責任ある業務を任せてもらえず、会社に自分の居場所すらなくなったような感覚に陥ることから会社に出社すること自体が辛くなってしまうのです。

正社員で働いている患者さんは、身体への負担を減らすために退職してアルバイトでフルタイムではない働き方へ変える人も珍しくありません。

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友人と疎遠になりやすい

友人と遊ぶ際、ランチや飲み会に行くことって多いですよね?

そもそも食事が絡まないことなんてまずないでしょう。

1人の場合だと最悪調子が悪くなっても仕方ないと思いますが、誰かと一緒にいる時に調子悪くなってしまったら話している内容すら入ってこなくなったり、その後どこかへ行く場合でも楽しめなくなってしまいます。

また、お喋りが目的で約束をする場合なんかは「明日は前から気になっていたフレンチ食べに行こうよ!」「この前見つけたカフェのケーキが美味しそうだったから今から行ってみようよ!」みたいに誘われることが多いんです。

こんな風に言われたら断りづらくないでしょうか?

断ってしまったら楽しみにしている相手の気持ちに水を差す形になってしまいますよね。

だから相手の意向に沿ったお店へ食べに行くのですが、結局あまり食べないので相手が「調子悪いの?」みたいに気を遣われることになります。

このように相手に気を遣われることもツライですし、周りが美味しそうに料理を食べている中で自分だけが胃もたれを気にして思う存分食べられないことも耐えられなくなるので、誰かとご飯を食べに行くことを避けたくなってしまうのです。

更に嘔吐恐怖症の人の場合は「外で吐いちゃったらどうしよう。。」という心配も大きいので、外出する行為に対して余計に拍車がかかります。

こうなると誰かと外へ遊びに行くのも億劫になってしまい、誘いに対して断ることが多くなってきますので自然と人付き合いがなくなっていき、友人と疎遠になっていくのです。

良い意味で捉えるとすれば、これを機に改めて人間関係を見直すことが出来ることでしょう。

病気を抱えたことで友人に対する付き合い方を変えていくことも大事であることを、以下の記事に記載しております。

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将来に対する不安が大きい

これまでご紹介した内容のように「食べることが毎日苦痛になる」「安定した仕事ができなくなる」「人付き合いがなくなる」の状態が今後も続くのでは?と考えたら、将来に対して不安しか残りません。

例えば、男性であれば「こんな身体で家族を養っていけるだろうか?」、女性の方であれば「こんな身体で結婚ができるだろうか?」「こんな身体で子供を育てることができるだろうか?」のような人生の中でも大きな出来事の一つである「家庭を築く」ということに対しても機能性ディスペプシアは大きな障害として立ちはだかります。

人付き合いがなくなれば出会いもなくなりますし、仕事を減らしたら何の贅沢もできなくなりますし、そこで毎日の食に対する楽しみさえを奪われたら何を目的に生きていけばよいのかが分からなくなってしまいます。

私の場合は未来に対する絶望感からうつ病まで発症したことで毎日「死にたい。。」と考えていた時期もあり、明るい未来が想像できないことはそれほどメンタルがやられてしまう可能性だってあります。

このような状態になることから、機能性ディスペプシアなってしまうと日常生活の質(Quality of Life)が大きく下がってしまうのです。

以下の記事は、未来に対して不安が消えない患者さんが少しでも前向きな姿勢を取り戻せるような方法を記載しておりますので参考にしてください。

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今あなたは自分の将来、すなわち未来に対して不安を抱いていませんか? もし現時点で何かしらの障害を抱えている人であれば、自分の明るい未来が想像 ...

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不安障害やうつ病を併発しやすい

先程ご説明したように病気がいつまでも治らない将来への不安というのは時間が経つにつれてどんどん大きくなっていくことに加えて、日常行動に対しても胃もたれや吐き気怖くて外出することに対しての不安や恐怖心が一気に乗し掛かってくるので、パニック障害や会食恐怖症、嘔吐恐怖症、摂食障害、強迫性障害といった不安障害、そして後述するうつ病にも同時に抱えてしまう可能性があります。

機能性ディスペプシアだけでも毎日を生きていくのが大変なのに、他にも同じぐらい苦しい病気を患ってしまうことは患者さんにとって"生きている心地がしないぐらいの心の傷"を負っているはずです。

このような心身症における併発する仕組みとして、以下の記事に詳しく記載しておりますので併せてご覧ください。

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この苦しみから患者さんが救われる方法

 

患者全員に効き目のある特効薬を開発してもらう

現在はアコファイドという薬が特効薬として認定されていますが、患者さんの声を聞いているとあまり効果が得られないことが相当な数で見受けられます。

もちろん一部では効果を発揮していて完治された人もいらっしゃると思いますが、これまでご紹介した機能性ディスペプシアに起こる様々な身体の症状や現象、そして何より本当の大変さを医師や世間が正確に把握していないことから、万人に効果があるような特効薬がいまだに世の中に出てきておらずに、完治する人が少ないのではないかと感じております。

だからこそ私はこういったインターネットを使った方法で今のリアルな情報を日本中の皆さんへ届けることで、医師に人にも特効薬の開発に本格的に乗り出して欲しいと思ってます。

2022年になってから改めて医師に特効薬の開発状況を確認していますので、気になる方はご覧ください。

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【アコファイドが効かない人へ】機能性ディスペプシアの新薬開発について

機能性ディスペプシアを患っている皆さんは現在どんな薬を飲まれていますか? 恐らく、皆さんそれぞれ異なる薬を飲まれていることでしょう。 機能性 ...

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医師の人がもっと患者の話に耳を傾ける

医師で消化器系を専門にしている人であればこの病気の名前を伝えると大体の症状は理解していただけますが、がんのような命に関わる病気ではないため診察していただく際は普通の風邪でも引いた時と同じレベルで扱いをされることが多いです。

そして実際の診察内容としては、患者が医師へ症状や身体に起こっている現象を伝えても薬を今までのローテーションで出されて5分ぐらいで終了といった感じです。

これでは前述したように特効薬の開発なんかされるとも思えませんし、どうせ話をまともに取り合ってもらえず病気も治らないのであれば何のために高い医療費を払って病院へ行っているか分かりません。

だから、医師の人にはもっと患者の話に耳を傾けて真剣に聞いていただければと思います。

例えば「この症状が起こっているのは機能性ディスペプシアだからだよ。」と当たり前のように話をまとめてすぐに診察を終わらせようとするのではなく、「その症状は身体の○○の部分が○○になっているから起こると考えられるよ。だから今回は○○に効くと思われるこの薬を試してみようね。」と言った感じで患者が訴える細かい症状や身体に起こるおかしな現象に焦点を当てて患者と接していただきたいと考えます。

患者側の立場として医師が治療を諦めてしまったら、ずっとこの苦しみが続くのかと思ってしまい完全にメンタルがやられてしまいます。

たとえ効果的な特効薬の開発が難しかったとしても、話をしっかり聞いていただいた上であらゆる角度から原因を追求し、患者さんも一緒に納得できるような対処方法を打ち出していただけると少しでも救われる可能性があります。

 

病気に対して周りからの理解を得る

「病気だからかわいそうと思って欲しい」ではなく、「病気に対する配慮を少しだけでもしていただきたい」のです。

これは、うつ病や適応障害のような心の病にも同じことが言えると思います。

例えば、うつ状態を理由に仕事を休んだりしたら「ただの甘えではないのか?」と仰る人も出てきたりします。

これは、この病気になったことがない人が「今日はしんどいから休む」といった心理面だけを想像して「甘え」と判断するのかもしれませんが、実際には意欲の低下や不安が助長されるような心理面の影響だけではなく、吐き気や睡眠障害などの身体面への影響においても不調が出てくるので、とても会社に行くことが難しい状態になるのです。

機能性ディスペプシアのような心身症の場合は心の病と逆のパターンで、ご紹介したような理由から身体面で毎日の生活を普通に送ることが厳しくなります。

更には、そのツラさから自分に自信が持てずに明るい未来も想像できないため、うつ病と同じような状態になることもあるのです。

だからこそ、仕事であれば「機能性ディスペプシアであれば毎日出勤するのは厳しいかもしれない」「この業務量がこなせるかどうか本人に確認してみよう」や、食事に行った際には「今日の胃の調子ってどうなのかを本人に聞いてみよう」「量が普通サイズしか扱っていない店じゃなく、ハーフサイズも扱っているお店も候補として出してみよう」といったご配慮をいただけると少しでも救われます。

このように皆さんに病気のことを理解しただくことで、私達も周りの人に病気のことを打ち明けやすくなり、無理をしない人付き合いが可能になると思っております。

 

最後に

機能性ディスペプシアがどのような病気かをご理解いただけましたでしょうか?

 

機能性ディスペプシアの辛い理由まとめ

・現在の薬では完治する見込みが薄い難病レベルの慢性疾患

・日常生活の質(QOL)が低下して、普通の生活を送ることが困難になる

・世間で認知されていない症状が多く、患者さんのツラさを周りに理解されにくい

・直接は命に関わることはないが、メンタルに及ぼす影響から可能性を無視できない病気

 

患者さんはこのようなハンデを背負った状態でも、社会の中で普通の人たちと同じ条件で生きていっているのです。

そしてどんなにツライ毎日を送っていても、ほとんどの患者さんが夢や希望を持って前向きに頑張って生きています。

日本中の皆さんがこの記事をご覧になって、機能性ディスペプシアという病気によって患者さんが本当に苦しんでいるのは何であるのかをご理解いただけることを願っております。

最後に私は現在、心身症や心の病を世間の人にもっと理解を深めていただくため、そして医療関係者に患者さんの苦しい実態を知ってもらって少しでも患者さんが住みやすい社会にするために、YouTubeTwitterを通して発信し続けております。

このような活動に対して賛同いただける方は応援の程、よろしくお願いいたします。

 

  • この記事を書いた人

ワナビー松本

機能性ディスペプシアから始まりうつ病や様々な不安障害も経験した経験から現在は心理カウンセラーとして活動中。 このブログは日常生活に支障をきたす病を抱えている患者さんに向けて私の経験を基にQOLの向上方法や症状緩和の知恵を共有しております。 ▼YouTubeやTwitterでも発信していますので是非チャンネル登録やフォローをお願いします▼

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