QOLが低下する病気の知識 機能性ディスペプシアについて

【機能性ディスペプシアが治らない時は?】空腹感と食事量の割合を寛解の目安にしよう

「いつまで経っても機能性ディスペプシアが治る気配がない…」

機能性ディスペプシアを患ってしまった人にとって、こちらは永遠のテーマになっているような気がします。

初期の頃ならともかく、発症してから長い期間が経っている患者さんにとっては「いつまでこの状態が続くんだろう…」と思い悩んでいることでしょう。

以前の私もそうでした。

ただ、そういった状態がずっと続いていた時に、私は一つの重要なことに気が付きました。

それがこちらです。

 

自分がいる現在のステージを理解する

 

医師の話を聞いてもても、ネットで調べてみても、同じ症状を抱えている人の話を聞いてみても「完治した」といった話はほとんど聞いたことがない病気であることから寛解に至るまでに対しても一体どのような経過を踏んでいくことが正しいのかさえ分かりません。

だからこそ、「自分が身をもって検証しなければ!」と考えるようになりました。

そして、現在寛解に限りなく近い状態になった今、やっと患者さんに対して寛解に至るまでの経過における情報を提供できるようになったのです。

ちなみに以前、こちらのブログで今回と同じように寛解までのプロセスについて紹介しました。

 

参考記事
【機能性ディスペプシアの不安】改善までのプロセスを理解しよう

機能性ディスペプシアを患っている人だといつも疑問に思いませんか? 「この病気はいつになったら治るんだろう。。」 もしこの病気をご存じない人が ...

続きを見る

 

こちらは症状が発生する頻度について触れましたが、あれから時間も経過しているので今回は別の視点から寛解までのプロセスを追っていきたいと思います。

 

それでは始めましょう。

 

 



 

どんなプロセスを意識する必要があるのか?

 

指標となるプロセスを導くには、なるべく分かりやすい症状である必要があります。

機能性ディスペプシアと言えば、胃もたれや吐き気、腹痛や空腹感がないといったことが多く見受けられます。

そこで今回私が着目したのはこちらです。

 

空腹感

 

まず、「空腹感がない」といった悩みを抱えている患者さんが多いことが今回一つのプロセス経過を測る指標として選んだ理由の一つです。

 

 

 

機能性ディスペプシアは、たとえ数十時間食べていない場合でも空腹感を感じない人が多くいることが分かります。

だからこそ、空腹感の症状は寛解までのプロセスに必要な指標だと考えました。

 

また、もう一方で相対的に比較したいのは胃もたれや吐き気、または腹痛によって食べられなくなるといった「食事の摂取量」です。

空腹感が無くてもたくさん食べられるといった報告も稀にありますが、やはり空腹感を感じないということは基本的に量が食べられないといった例が多く見受けられます。

そこで今回は「空腹感に対して食事量がどれぐらいなのか?」を一つの指標として、私の経験を基に寛解までのプロセスをお伝えしていきますね。

 

 

寛解までのプロセスについて

 

それでは、寛解までのプロセスはどのようになっているのでしょうか?

私の経験から皆さんに紹介できるのは、以下の3つのステージで構成されたプロセスです。

 

寛解までのプロセス

①空腹感自体がほとんど無い状態で、食事量も少ししか食べられない
②空腹感は割とあるが、食事量はあまり食べられない
③空腹感はあって、食事量も食べられる

 

「少し」や「あまり」といった曖昧な表現ではありますが、こちらの目安としては「健康だった時と比較した場合」としてください。

また、③の食事量が食べられるというのは当然ですが健康だった時と同じレベルではなく、「健康だった時と比較して7割~8割ぐらい食べられるようになっている」と考えていただければと思います。

更に、その中でも機能性ディスペプシアにとって苦手な油物や刺激物、そして脂質を含んだ肉なども7割~8割食べられるかどうかもクリアしているか判断する目安としてください。

上記のプロセスは番号通りの順に寛解に近づくため、③まで来た場合は以前のような食生活が送れる希望を持っても良いでしょう。

①は発症して初期の段階ですので、当然かもしれませんがまともな食事が摂れない状況であり、そもそも空腹感をほとんど感じない状態のはずです。

②は大体の患者さんが発症してから数ヶ月でたどり着くプロセスだと思われます。

この段階では多少お腹が鳴ったりするといった空腹感を得られる場合があり、たくさん食べられそうな気がしてきます。

ですが、実際に食べてみると①の時と大して変わらない食事量しか摂れないのです。

仮に食事量が①に比べてある程度増えたとしても、消化に良いものが中心といった食生活となり、油物や刺激物といった消化に悪いものはほとんど口にできない、口にしたとしても強烈な症状が表われる可能性があるでしょう。

恐らく患者さんにとって、改善に対して多少なりとも期待を抱く時期でもあるので、実際に食べられないギャップから大きなショックを受ける時期であり、これが原因でQOLまで下がってくる患者さんが多いと思われます。

③に関しては、先程お伝えしたように寛解に対して期待を持っても良いぐらい回復してきていると考えて良いでしょう。

この状態に入ると量だけでなく、食事の質に対する耐性も上がってきている可能性が高いので多少消化の悪いものでも調子が悪い時でなければそれなりの量が食べられると思われます。

ただ、この段階に入るまでは人によりますが私の場合で5年近くかかったので、かなりの忍耐力が必要となってくるでしょう。

これら3つを寛解のプロセスとして意識していただければと思います。

 



 

順調にステージをクリアしていくために必要なこと

 

前項でお伝えした通り、①から②までは割と早く移行するのですが、②から③に移行するのが非常に長くなる可能性があります。

①と②はまともな食事ができないことが多いので、この状態が長引くとQOLが下がってしまい、社会で生活をしていくことに対しての気力を失ってしまうかもしれません。

ですが、この状態が長引くことに対して焦りを感じてしまうと、ますます自分に対して大きなストレスを掛けてしまい、余計に長引く可能性があります。

だからこそ、まず自分が今いるステージがどの段階なのかを今回紹介したプロセスを参考にした上で把握しておいていただければと思います。

実際に私という実例がいますので、このプロセスにおいてはある程度信憑性があるのではないでしょうか?

プロセスにある①~③のステージを参考にして、自分がどの状態に位置しているかを理解しておくと次の段階まで移行することが出来れば今よりも好きな物や量が食べることができるかもといった希望になるため焦ることも少なくなるでしょう。

したがって、上記の内容をまとめると次のステージに行くまでに必要な心がけはこちらです。

 

心身共に無理な負荷をかけない

 

これは自分の胃に対して、また自分の気持ちに対して無理をしないといったことです。

自分がいるステージを把握しておくと「今の状態なら問題なく食べられる」「これぐらいであれば詰めて予定を入れても大丈夫だろう」といった過信をすることが少なくなるため、そのステージの症状に合わせて無理に食べたり無理に動いたりすることを控えるのではないでしょうか?

私自身は前例を見たことがなかったので、①や②のステージでも無理矢理食べたり、鬱状態で胃の調子まで悪いのに無理な予定を組んで動いていたのですが、この行動が③のステージまで改善させるスピードを遅くさせていたのではないかと後悔しております。

うつ病のような心の病もそうですが、心身症であっても本当に身体がツラい時は無理をしてはいけないのでしょう。

常に身体のSOSを敏感に感じ取って、なるべく無理な行動を避けるようにすることで、順調に寛解までのプロセスにおけるステージを一つずつクリアしていくことが出来るのではないかと思われます。

 

最後に

機能性ディスペプシアは万人に効くような特効薬が開発されておらず、まだまだ未知な病気です。

だからこそ、今回紹介したように寛解までの指標は将来に希望を持つためには大事なものだと言えます。

ただ、そこに行き着くまでは長い闘いになってしまうことは確かなので、常に心のケアは忘れず行なってくださいね。

 

では、またお会いしましょう。

 

  • この記事を書いた人

ワナビー松本

機能性ディスペプシアを筆頭にうつ病や不安障害も患った経験から現在は心理カウンセラーとして活動中。

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