機能性ディスペプシアを抱えている皆さんは、この病気が本当に厄介なものだと感じていませんか?
厄介と思えるような機能性ディスペプシア特有の現象はたくさんあると思いますが、その中でも患者さんに割と多いと思われる症状がこちらです。
時間差で症状に襲われる
そうなんです。
食べた直後に症状が襲ってくるわけではありません。
食べている最中には大丈夫だと思っていても、そこから数時間から数日後に突然胃の状態が悪くなるという現象に見舞われます。
割と初期の方であれば、早期膨満感に襲われることから食事の量が必然と抑えられるので意外とこの現象に遭遇することはありません。
ですが、発症してからしばらく経って少し胃の状態が良くなってくると、少しずつ食事量が増えたり、機能性ディスペプシアの大敵である脂質や刺激物を含んだものが食べられるようになってくるので、油断してしまいます。
その油断によって普通に食べていると、急にこの現象に襲われることがあるのです。
こうなると毎日安心して食事ができませんよね?
そこで、今回は考えられる原因と対処法について説明していきたいと思います。
それでは始めましょう。
時間差で症状に襲われる原因について
それでは、なぜ機能性ディスペプシアの主な症状である胃もたれや吐き気などが直後ではなく時間差で襲ってくるのでしょうか?
恐らく表面的な理由は単純であり、以下の2点だと考えております。
・今の胃の許容量に対して食事量を摂りすぎた
・油物や刺激物といった胃に負担の掛かる食べ物を摂取した
ですが、私が思うには上記の理由よりもっと根本的な原因があり、それを理解していないと対処することが難しいでしょう。
そこで、私なりに分析した考えられる根本的な原因がこちらです。
消化が非常に遅い身体になってしまっている
そもそも、胃もたれや吐き気に関しては食べ物が胃にずっと溜まっている状態によって引き起こされます。
普通の人であれば、食べ過ぎた時に症状が出ることが多いですよね?
皆さんも病気になる前はそうだったと思います。
ですが、機能性ディスペプシアの患者さんの胃は普通よりも消化機能が弱まっている可能性が高いので、普通の量を食べただけでも消化不良を起こして胃もたれを引き起こしているはずです。
では、なぜ数時間後から数日後に症状が出るのか?
これは1回の食事だけの話ではなくて、「それまでに食べた食事やお菓子も常に胃の中に残っているのはないか?」と考えております。
たとえ少量であっても「塵も積もれば山となる」のように、直近における食べ物の数回分が蓄積されてきた場合は相当な量になっているはずです。
この蓄積分に対して、また新たな食事を胃の中に入れるので機能性ディスペプシアの弱った胃で消化をすることができず、胃の中にたくさんの消化不良分が残る形になってしまい時間差で胃もたれや吐き気を発生させるのかもしれません。
また、時間差については食べ物の中でも脂質に対する消化にも大きく関係していると思われます。
機能性ディスペプシアの患者さんは、ほとんどの人が肉や揚げ物、洋菓子といった油脂を多く含むものが食べられない傾向にあります。
ご存じの通り、脂質を含むものは消化が非常に遅いです。
症状が落ち着いてくると少しずつ脂質を含むものも食べ始める人が多いと思われますが、実際には脂質を消化する能力が戻っていないために、少量であっても胃から十二指腸あたりに残った状態になっているのではないかと思っています。
だからこそ、脂質を含んだ食べ物は数日前に食べた場合であっても実は消化しきれない分が胃の中に存在していて、それが拍車をかけて後々症状として表われている可能性があるのです。
いずれにせよ、機能性ディスペプシアを患ったことで脂質も含めて消化能力が落ちてしまった身体になっている可能性があるので、自分の気付かないうちに消化不良によって蓄積された胃の内容物がどこかでボーダーラインを超えてしまい、胃もたれや吐き気が予期しないタイミングで表われることで時間差と感じているのかもしれません。
しかも、時間差による症状に直撃すると数時間どころか数日間も症状が治まらないことがありますが、これは消化が非常に遅いことから比例して長い時間続いてしまうのではないかと考えております。
この現象と上手く付き合うための対処法
先ほど説明したように根本的な原因は「今まで摂取した食べ物の蓄積」と思われますが、症状の引き金となるのは油物や刺激物のような消化に悪いものを食べた時の方が多いです。
ずっと消化の良いものを食べていたのに症状が発生する場合は読めないので対処法がありませんが、ここ数日間の食生活にて消化の悪い物を挟んでいた場合であれば多少なりとも皆さんの経験則から分かるのではないかと思われます。
そうなると気を付けるべきタイミングは2つです。
・消化の悪い物を食べている日
・いつもの食事量よりも多く食べている日
この2つのタイミングを一つの基準とした上で、もう一つ意識すべきことがあります。
意識すべきポイント
症状が治まるには時間がかかる
このように2つのタイミングを基準として症状が治まることに時間を要すると仮定した場合、一つの結論が導き出されます。
それがこちらです。
基準となる日、またそこから数日間は大事な予定を入れない
仕事やプライベートで大事な予定がある日に大きな胃もたれや吐き気があったら集中できないので、そのショックから気分が落ち込んで立ち直れなくなってしまいますよね?
だからこそ、身体に合わないものを食べたと思われる日、または数日間は大事な予定を入れない方がメンタル的にも良いでしょう。
この数日間というのは個人差があり、丸一日だけの場合もあれば3~4日ぐらい治まらない場合もあります。
ただ、2日以上続くというのは発症初期の頃は消化不良が非常に遅いことが原因というのは十分にあり得ますが、中期以降は何か食べ物に当たってしまったことも考えられます。
なぜなら、少なくとも初期の頃より胃が改善しているはずですから。
だからこそ、大事な予定は最低2日後以降で設定しておけば症状に振り回されることなくスムーズな生活を送ることができるでしょう。
最後に
ただでさえ苦しい機能性ディスペプシアの症状がいつ襲ってくるか分からないとなると、怖くて外出すらできなくなりますよね。
ですが、機能性ディスペプシアが改善に向かうにつれて徐々に時間差のスパンが短くなってきます。
私は初期の頃は3~4日ほど症状を引きずっておりましたが、寛解が近づいた今では丸一日で治まっているので、病気が順調に改善していけば当日、または翌日には大事な予定を入れることができる可能性が高いのです。
初期~中期の患者さんにとっては苦しい時期ではありますが、対処の方法が分かってくると日常生活も上手く回り始めるようになるので希望を捨てずに日々を過ごしていただければと思います。
動画でも詳しく説明しておりますので、宜しければご覧ください。
では、またお会いしましょう。