皆さんは"心身症"をご存じでしょうか?
日本心身医学会では以下のように定義づけられています。
『身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する』
つまり、ストレスによって体の機能が異常を起こして様々な症状として現われる病気のことです。
これらは「目に見える外部からの物理的ダメージによる負傷やウイルスによる攻撃で症状が出るものではなく、目に見えないストレスのようなものによる攻撃によって発症するものである」と、私はこちらの定義内容からそのように捉えています。
そして私も長年に渡って心身症を抱えているのですが、最初に患った心身症だけではなく別の心身症も含めて苦しんだ経験を経て一つの結論を出しました。
その結論とは「1つでも心身症を発症した場合は他の心身症を併発する可能性が非常に高い」ということです。
1つでも心身に負担を抱える心身症ですが、更に他の心身症まで発症するとQOL(生活の質)が大きく下がってしまいます。
今回は「心身症にはどんな種類があってどのような症状が出るのか?」を皆さんにご理解いただき、「1つの心身症を患うと他の心身症を併発する心身の仕組み」について、経験した私の独断と偏見でたどり着いた答えを皆さんへお伝えできればと思います。
そして、これからご紹介する中で"ストレス"という言葉は終盤まで敢えて使いません。
心身症(不安障害)の種類
まず今回の話をする前提として、先ほど挙げた日本心身医学会の定義を半分否定するような内容となります。
なぜなら私自身が心と体の病気を同じ時期に発症したことがあることから、それらの病気についてはすべて関連性があるものと見ており、そうなると定義にあったうつ病や神経症に関しても「私が定義する心身症」に含まれることになるからです。
私が考える心身症とは「心や精神的に何か問題を抱えていることが原因から引き起こされる神経の乱れによって体に様々な症状が出る」と考えています。
そうなると"心身症"とは非常に広い範囲の病気を指すことになるのです。
これからご紹介するものは私が機能性ディスペプシアから併発した心身症を中心に挙げておりますが、中には一般的に"不安障害"と呼ばれる病気も含まれていますので、心身症と不安障害が密接な関係にあることも覚えておいていただければと思います。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは私は他の病気も併発するキッカケとなった現在で既に5年以上患っている病気であり、発症すると胃の機能が正常に働かなくなることで食べ物を消化できなくなるので、まともな食事を取ることが難しくなります。
しかも食事をあまり取っていないにも関わらず、胃もたれや吐き気が続くといったことも日常茶飯事です。
このように食事が取れないことで仕事や学校、そしてプライベートでも以前まで当たり前であった普通の生活が送れなくなるといった状態になり、QOL(生活の質)が著しく下がってしまいます。
発症の原因としては、元々胃が弱い人が不規則な生活や暴飲暴食、また仕事や人間関係により神経系統に異常(自律神経の乱れ)が起きることが大きいと言われています。
機能性ディスペプシアの詳しい内容は以下の記事に載せておりますので、もう少し深い内容を知りたい人はご覧ください。
-
-
【機能性ディスペプシアとは?】日常生活の質が著しく下がる胃の難病です
機能性ディスペプシアという病気をご存じですか? 別名が機能性胃腸障害(英名:Functional Dyspepsia)とも呼ばれており、胃の ...
続きを見る
会食恐怖症
会食恐怖症は誰かと一緒に食事をすると食事が喉を通らない、また吐き気がしてきてまともに食事を取ることができない病気です。
機能性ディスペプシアと違って一人や家族と一緒に食べるのは平気なことがほとんどですが、それ以外の人との食事は難しいことが多いとされています。
この病気になってしまうと誰かと外食することが困難になることから、会社のランチでは常に一人で食事をしたりプライベートでも友人たちとランチや飲み会を避けるようになるので、人付き合いが難しくなり周りの人と疎遠になりやすくなるのです。
私も会食恐怖症を併発していましたが、誰かと一緒に食べること自体は平気で外で食べる時のみ吐き気がするといった症状が出ていました。
とにかく、人から誘われて食事に行くことが楽しいよりも試練になってしまうような病気です。
摂食障害
摂食障害は3つのパターンがあります。
1つ目は本来の食べるべき量が食べられないパターンで、こちらは"食べられない"といった点では機能性ディスペプシアによく似ています。
しかしながら機能性ディスペプシアと異なるのは、機能性ディスペプシアが胃の消化機能がおかしくなっていて物理的に食べられないものであるのに対し、摂食障害は会食恐怖症のように「食べたら太ってしまう」「食べたら吐いてしまう」といった精神的な不安により食べられなくなるものです。
このタイプは「拒食症」と呼ばれます。
2つ目はとにかく胃の中にたくさんの食べ物を入れるのですが、結果的に吐いてしまうパターンです。
普通は食欲をコントロール出来ますが、このタイプはコントロールが出来なくなるため際限なく食べ続けてしまうことになります。
太ってしまうことに何かしらのトラウマを抱えていたり、痩せることに異常なまでの執着があることで引き起こされるとされています。
この場合は吐いてしまうことで当然ながら栄養を身体に取り込めていないので、かなり痩せてしまう可能性が高いです。
3つ目は同じよう過食するパターンですが、2つ目と異なり食べても吐かないので反対にどんどん太っていきます。
この場合は2つ目のように自ら意図的に吐いたり下剤を使って外に出そうとしないので、結果として体重が増加していってしまうのです。
このタイプは「過食症」と呼ばれます。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は機能性ディスペプシアの腸バージョンです。
こちらは腸が機能異常を起こすことで腹痛や吐き気、さらには長期間の便秘や下痢といった症状を引き起こす病気ですが、この症状が頻繁に出ることから日常生活で苦しめられる頻度も非常に高いので、機能性ディスペプシアと同じくQOLを下げる代表的な病気でしょう。
こちらも原因が医療業界ではあまりハッキリしておらず、機能性ディスペプシアと同じく元々腸が弱い人が仕事や人間関係をキッカケに引き起こされる可能性が高いとされています。
自律神経失調症
自律神経失調症とは体の活動している時や昼間に活発になる交感神経と、安静にしている時や夜になると活発になる副交感神経のバランスが崩れた時に発生する病気で、症状としては体のだるさや便秘や下痢、頭痛、ほてり、動悸、しびれ、不眠、生理不順、口や喉の不快感、頻尿、残尿感、発汗、肩凝り等と多岐に渡ります。
原因は他の心身症と同じく仕事による過度なプレッシャーや過労、そして光や音によるストレスと言われています。
ただ、この病気の状態を一言で言い表すと"自律神経の乱れ"であることから機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群のような他の心身症(※不安障害含む)が発症する際の原因と同じである可能性が高いので、自律神経失調症なのか他の心身症なのか区別が付きにくいのが難点です。
すなわち、自律神経失調症が完治した場合は他の心身症も完治する可能性が高いと考えられます。
パニック障害
パニック障害はある特定の場所で動悸やめまい、吐き気、手足の震えなどが突然起こる病気です。
特に閉鎖された空間や人の多い場所へ行った際に症状が現われる場合が多いため、外に出ることが恐怖になりやすくなります。
外に出ることが億劫になってしまうと、行ける場所が減ってしまうことで日常生活の行動が制限されてしまうのでQOLの低下が避けられません。
恐怖となる対象の環境において何かがトラウマとなり発症するケースもあり、一度なってしまうと「またあの場所へ行かなければならないのか。。」と不安になりそれが更に症状の悪化へと繋がる可能性があります。
嘔吐恐怖症
嘔吐恐怖症は"吐く"という行為において異常なまでに抵抗がある病気です。
この病気になると自分が吐く行為だけではなく他人が吐く行為を見るのも拒否するような状態になり、酷い場合は文字を見るだけでも動悸や吐き気といったパニック障害に近い症状が出来ることもあります。
「吐くぐらいなら死んだ方がマシ!」と言われる人もいらっしゃるぐらいです。
こちらも過去に吐いてしまったことで苦しい思いをしたことがキッカケとなって発症することが多く、嘔吐恐怖症の人は幼少期以降は何十年も吐いていない人も珍しくありません。
うつ病
うつ病はご存じの人も多いでしょうが、会社や学校のような組織として形成された集団の場に行くことに対して身体が拒否反応を起こして身体が動かなくなったり吐き気を起こしたりする病気です。
対象となる場に行く時だけ症状が出るのであればまだ良いですが、うつ病の厄介なところは普段から症状が現われることが多く、急に涙が出て止まらなくなる、本来好きであった趣味をしても何も楽しいと感じない、少し動くだけでも疲れる、夜の寝付きが悪くなったり睡眠時間が極端に短くなったりするといったことがあります。
人前で症状が現われにくいことから周りの人から見ると"甘え"と捉えられることが多いですが、実は想像以上に深刻で周りからの理解が無かったり放っておいたりすると命に関わる可能性のある危険な病気です。
こちらは心の病気ですが、上に挙げた病気によって脳の神経に異常が出て発症する可能性が高い。
HSP
こちらは視覚や聴覚が周りの人と比べて敏感で感受性が豊かであるが故、周りの環境に対して人間関係や音や光などを含めて様々なことを気にし過ぎてしまうものです。
HSPは病気というよりかは本人の気質に近いものがありますが、かなり敏感なことから色々と気にし過ぎることでうつ病を始めとした他の心身症へ繋がる可能性があるのでこちらでご紹介しております。
HSPの人は「相手の感情に共感する」「物事を深く考える」といった気質を持っているのが特徴なので疲れやすくもありますが、反対に時と場合によっては非常にメリットとして働くことがあるのです。
基本的は先天的に気質として持っていることがほとんどですが、私のように他の病気を発症したことがキッカケでHSP気質へ変化したパターンもあり得ると考えています。
心身症が併発する経緯
冒頭でお話したように、心身症はどれか一つでも患った場合に別の心身症を併発する可能性あるのですが、実際にどのような経緯で別の心身症を患ってしまうのかを私や患者さんの経験を踏まえてご説明していきます。
今回は私の経験から機能性ディスペプシアから他の心身症になるパターンを例としてご紹介しますが、もちろん他の心身症から機能性ディスペプシアを含めた他の心身症になるパターンもあり得ますのでご注意を。
食べることを拒否することで摂食障害になる
機能性ディスペプシアになると常に食べられない生活が続くので、仮に胃の機能が少し回復してきていたとしても食べるといった行為が受け付けなくなる可能性があります。
まったく食べないことはないですが、たくさん食べるとまた胃もたれや吐き気など苦しい思いをしてしまう恐怖心から食事量が極端に減ってしまい、これが摂食障害へと繋がります。
吐き気で動けなくなる恐怖から会食恐怖症になる
機能性ディスペプシアになると、症状が芳しくない時は基本的に消化の良いものを少量しか受け付けません。
ですが外食するとなると、基本的に友人や家族といった誰かしらと食事をすることになりますが誰かと食事をするということは消化の良い食べ物ばかりではないのです。
相手の意向にも沿うような形にすることで自分で毎回店を決めることも難しいですし、消化の良い食べ物ばかり取り扱っている店もそうそうありません。
そうなると消化の良くないものでも無理してでも食べるような状態になるので、後に胃もたれや吐き気を起こしやすくなるのです。
また友人といたりすると楽しい雰囲気によりリミッターが外れて普段より食べるようになったりするのでそれに拍車が掛かっていつもより苦しくなることが多いので、ここまで酷くなってしまうと動けなくなり家に帰るのも難しくなってしまいます。
このように、それらがトラウマとなって誰かと外食にいくのが怖くなるといった経緯が機能性ディスペプシアから会食恐怖症を引き起こすのです。
吐き気による恐怖からパニック障害になる
会食恐怖症の旨でご説明したように外食すると胃もたれや吐き気が酷くなることがありますが、この状態で乗り物に乗るとより強い吐き気となって現われることが多いです。
特に公共の乗り物である電車やバスといった基本的にトイレが付いていないものであった場合、逃げ場がないので吐きそうになる恐怖と「人前で吐いちゃったらどうしよう。。」と想像してしまってこれがトラウマとなり、乗り物に乗ると緊張感や不安からパニック障害と同じように動悸が激しくなったりすることも珍しくありません。
常に吐き気に苦しめられることで嘔吐恐怖症になる
機能性ディスペプシアはこれまでご紹介した状況を何度も経験するので、常に吐き気と闘っている状態になります。
あまりにも長いこと吐き気を味わうこととなるので、さらにその上の苦しみをいく"吐く"という行為は”死ぬこと”と同じぐらい最悪の展開と考えてしまい嘔吐恐怖症を引き起こしてしまうのです。
実際に吐いてしまえばスッキリすることもあるのですが、機能性ディスペプシアの患者さんは普段は恐怖心から吐くことを何としてでも我慢しようとするので吐き気が続いて余計に苦しむことになってしまっている現状があります。
ただ私も以前はそうでしたが、機能性ディスペプシアになる前から既に多少なりとも嘔吐恐怖症の人が多いようです。
自律神経の乱れにより自律神経失調症になる
これはハッキリ断言できませんが、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群のような心身症は自律神経の乱れが原因の可能性があることから、個人的にはこれらの病気になった時点で自律神経失調症にもなっている考えています。
もちろん反対も然りです。
自律神経失調症から発症した人で、例えば肩こりや頭痛から症状が出た場合でもしばらくしてご飯まで食べられなくなったり過度な便秘や下痢になったとしたら、その人は機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群も併発している可能性が高いでしょう。
なお、私の場合は自律神経の乱れが原因と思われますが、残尿感や不眠が以前よりも酷くなりました。
何も出来ない自分を責めたり完治しない不安からうつ病になる
機能性ディスペプシアは胃もたれや吐き気により健常者と同じような行動が難しくなることでQOLが下がってしまいます。
例えば仕事において、患者さんは常に苦しい状態で働いているのですが以前のようなパフォーマンスで仕事をすることが出来なくなることが多いので、そんな自分に対して責めるようになり、仕事を続けていけるかどうかの不安も付きまといます。
またプライベートでも、遊びにいってもまともにご飯が食べられない、友人の誘いを断り続けてしまうことで、「周りの人は普通に楽しめているのに自分だけなぜ毎回こんなにツラい思いをしなければならないのか」「いつ完治するかも分からないからずっとこのままの状態が続くのではないか」といった不安に押しつぶされそうになることで、うつ病を発症してしまうのです。
常に研ぎ澄まされた状況に置かれることでHSP気質になる
機能性ディスペプシアのような心身症になると、常に「何を食べたらいいのか」「仕事はどうしたらいいのか」「これからの人生をどういう風に生きていけばいいのか」など、このようなことを朝起きてから寝るまで考えることが多くなります。
ずっとこの状態が続くと神経が研ぎ澄まされていくような感覚になり、周りの人や物の細かい部分ですら気になり始めるようになるので、HSP気質になっていくのです。
うつ病が酷い時は別として、それ以外の病気を患っている期間はずっとHSPのような状態が続くので、以前と違う自分がまるで無理しているような感じになり疲れます。
なぜ心身症は他の心身症を併発してしまうのか?
私の見解では心身症の併発する原因として、心と脳と臓器が神経を通して密接に繋がっているからだと考えています。
例えばうつ病に関しては脳の神経異常が原因と言われており、そこから身体に様々な症状が現われていますよね?
これは脳が「これ以上負荷をかけないで!」といった危険信号を神経を通して臓器へ伝達することで体に症状が現われています。
ですが、その前にオーバーワークやトラブル、また人間関係のもつれといったことが心にダメージを負わせている原因となっているのです。
すなわち、うつ病の場合は「心→脳→体」の流れで体に症状が現われていると考えられます。
反対に「体」から症状が現われる機能性ディスペプシアだと、普段から胃もたれや吐き気といった苦しい症状に悩まされることで脳うつ病と同じように反応して「心」へ危険信号を送ることで、毎日不安やプレッシャーによる恐怖心といった心が正常に保てない状態になります。
すなわち、機能性ディスペプシアの場合は「体→脳→心」の流れで心に症状が現われていると考えられます。
このように、「心」か「体」のどちらかのパターンで反対の心身へ影響を及ぼすことになるので、一つの心身症を患うと他の心身症を併発する可能性が高くなってくるのではないかという私の見解です。
可能な限り併発を防ぐ方法
心か体のどちらから現在の病気が発症したのかをしっかり把握した上で、それぞれに応じた治療をしていくことが大切です。
元の原因となっている病気の治療に専念しない限り、併発した他の病気が治る可能性が非常に薄いです。
今回は心身症において心と体が関連していると仮定しているので、代表的なうつ病と機能性ディスペプシアを例として挙げてみます。
例えば現在抱えているのがうつ病で、体に症状が現われている場合、仕事上の人間関係やプレッシャーによる不安や恐怖心が原因だとすれば「心→体」という流れで症状が発症していることになります。
その場合は体に症状が現われる原因の元となっている「心」をケアしてあげる必要があるのです。
反対に「体→心」のパターンですが、私の場合を例に挙げると仕事のオーバーワークによる過労と不規則な生活による暴飲暴食や寝不足といった「体」から影響して機能性ディスペプシアを発症しました。
そしてその後に不安や恐怖心からうつ病を併発したので、この場合は心にダメージを負わせる元の原因となった「体」をケアしてあげることが必要となってきます。
ここで、どちらのパターンでも治療について皆さんに覚えておいていただきたいことがあります。
それは「病院で処方される薬だけでは完全には治る可能性が低い」ということです。
先ほどご説明したように心身症は神経に異常が起きることで発症していますので、ウイルスのように目に見えるものではないことから完治させるような治療法は確立されておりません。
よって、病院でもらう薬に関しては現在の症状を緩和するだけのものであって、完治させるものではありません。
だからこそ完治させるには、病院の薬を飲み続けて症状を和らげた状態にしながら他の治療法もどんどん試していく必要があるのです。
もちろん、どちらのパターンも仕事をセーブするといった療養は当然必要ですが、その上でパターン別に併発の防止策として挙げるとすれば以下の方法が効果的だと思われます。
元の原因が「心」の場合
こちらの場合は、"同じ病気を経験したことがある人が行なっているカウンセリング"が治療において最も有効だと思われます。
診療内科や精神科の医師はうつ病や会食恐怖症、HSPといった心の病気の専門であったとしても本人がその病気を患った人ではないことが多いはずです。
心(気持ち)という繊細で目に見えない未知の部分に対してケアができるのは、その病気になったことがある人しか出来ないという私の見解があります。
病院でもらう薬は症状緩和のために服用することは日々のQOL低下を抑える意味でも必要ですが、治療するといった観点から見た場合、同じ病気を抱えたことのある専門のカウンセリングに話を聞いてもらった上でその人が完治するまでに実施した治療法を実践することで「心が楽になる」「完治するための効果的な治療法を知ることが出来る」といった恩恵を受けることが出来るでしょう。
元の原因が「体」の場合
こちらの場合は、”食生活や睡眠といった普段の生活習慣の改善”が必須だと考えられます。
私のように体へのダメージが主な原因で機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などを発症した人は、元々その臓器が人よりも弱い上に日々の生活において無茶をした可能性が高いので、こちらを治すためには長い時間を掛けてゆっくり臓器の機能を取り戻していかなければなりません。
もちろんこちらも心の場合と同じようにQOL低下の防止として病院で処方される薬は服用することが必要ですが、その上で生活習慣を徹底的に改善していき臓器に対する負担を少しでも減らしていくことで徐々に臓器が本来持っていた機能を取り戻していき、以前のような普通に生活できていたレベルまで回復すること可能となってくるのです。
ストレスとの関係
冒頭でもお伝えしたように、これらの心身症は医療関係者の間で一般的に「ストレス」が主な原因だと言われています。
確かにどの心身症においてもストレスが少しは関係していることは間違いないでしょう。
ですがそんなことは当たり前の話で、こういった病気を経験したものであれば誰でも分かっていると思います。
ストレスは学校でも社会でも生きている上では避けて通れないものであり、それを完全に断ち切ることが出来ないから患者さんは苦労しているのです。
したがって、今回ご紹介したような"もっと根本の原因"を探すことが重要になってきます。
なお、最初に患う心身症の原因としては以下が一般的です。
参考
・うつ病、摂食障害、会食恐怖症、パニック障害、嘔吐恐怖症、HSP→「心」へのダメージ
・FD、過敏性腸症候群→「体」へのダメージ
現在心身症を患っている皆さんもこちらを参考にして、根本の原因となるものが「心」か「体」かを理解した上でその部分を徹底的に治療することで、他の心身症の併発を防ぐことができる可能性が高くなるでしょう。
最後に
今回は代表的な心身症をご紹介しましたが、まだ世間でもあまり知られていない他の心身症で苦しんでいる患者さんもたくさんいらっしゃいます。
そして、どんな心身症でも現在の症状が重ければ重いほど、長く続けば続くほど心にも体にも大きなダメージを与えていき、別の心身症を併発する危険性があるのです。
そのような状態になる前に現在抱えている心身症の症状を少しでも和らげる方法を探したりや環境を作っていく必要があります。
私も長年続いていた様々な心身症を寛解に近い状態まで持ってこれたのも、今回ご紹介したような根本の原因となる部分を見つけて自分から医師の人へ提案をして効果的な治療方法を探したり、体を回復させるための環境作りを実践したからです。
今回の記事が同じ病気を患っている皆さんへどこまで力になれるか分かりませんが、病気を完治させるための一つのキッカケとして参考にしていただけると幸いです。
ではまたお会いしましょう。